18、覚悟 雨が一瞬、ピタリと止んだ。 同時に、娘の心も静かになった。 「村に一度戻ろう。殴られてもなじられてもいい、黙って出ていくよりずっといい。みんなからの罰を受けて村を出よう。」 娘はそう決意して、木の洞を出た。 真っ暗闇だが、ここまでの道はなんとか覚えているはずだった。ただ、山道はさっきからの大雨でぬかるみ、木の根や石がむき出しの場所は滑る。来た時とは比べ物にならないほど、進むのが難しかった。 村を出て、生まれて初めて一人で真っ暗な夜を過ごしている。そこで気づいたことがたくさんあった。 嵐にゆさぶられ怖い思いをして、ようやく自分が今まで村や家の者に守られていたことを