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2019.02.05 12:22

連載小説【りゅうとむすめ】16.木の中|eri koo|note

16、木の中 「今日しかない。」 娘は、降り出した雨音を聴きながら、誰にも聞こえない小さな声で、でも確かにつぶやいた。 誰かに聞かせるような、もう一人の自分に確認するような、そんな声だった。 「こんな日まで出るのかい?あんた、明日は大事な日だからね。」 「うん、今日が最後だから。」 「なるべく早く戻るんだよ。」 「・・・ありがとう。」 娘はガラリと戸を開け、外に出た。 いつもの夕方の時間、雨はまだ、ぱらぱらと降る程度だ。 そのまま、いつものように浜に行く。 着物の懐から龍の鱗を取り出して、そっと海に浸した。そうしたところで、龍のいる沖に出れる事はもうない。けれど、こうするこ

note(ノート)

  • 小説(17)

Eri Koo / エリ・クゥ - Official Website

パフォーマンスアート“空舞“、文筆、絵画・オブジェ制作 'Kuhmai' Performance Art, Painting, Writing, Three-dimensional Work

  • 2019.02.05 12:28
    Untitled
  • 2019.02.04 12:25
    Untitled

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