12、対話 娘は龍の元へと泳いで行った。 龍のからだを離れた時に身を覆っていた大きな泡は、そのうち娘のからだに沿うように小さくなり、肌から少しの隙間を作って海から守ってくれているようだった。素潜りをしているのと同じように泳げて、それでいて地上と同じようにずっと息が出来た。 「娘、そろそろ戻ろう。」 娘は首を横に振った。 顔にはやわらかい笑顔をたたえたままで。 娘は龍の顔の真ん前で浮かんでいた。肩までの髪が波に揺れている。 海がうねる音が響く。 「いつまでもここにいるわけにはいかない。」 「あたし、戻らない。龍神さまと一緒に海の中に住む。」 「・・・何を言ってるんだ。」 「戻