８、先の海 「鱗・・・全部きれいになったんだね？」 「お前が集めてくれた鱗が戻って力も戻ってきたから、足りなかった鱗も全部新しく生えてきた。」 「よかった！」 再びの対面で少し緊張していた娘も、そして龍も、話し出すと空気が和らいだ。 新月。 真っ暗闇だが、龍の鱗がふわりとやわらかく光っているので、お互いを見ることができた。 「龍神さまはさぁ、いつも何してるの？」 「いつも・・・ほとんど、ぼんやりとしている。」「ぼんやり！？」 「いや、寝ている・・・かな？」 「え？？ずっと寝てんの？」 「寝ている・・・というと少し違うのだが、娘、お前に説明しても分かるかどうか。」 「教えて？わか