７、海の上 幼い娘にとって、龍との約束の日はなかなかやって来なかった。 畑仕事をしたり、山菜採りをしたり、たくさんの仕事をして夜の散歩に出ても一向に時が過ぎない。 それでも、幾日か寝た先に何か楽しみなことが待っているという経験をしたことがない娘は、毎日毎日そのことを楽しみにし過ぎて、ようやくやってきた約束の日の前日には、少し怖いような気持ちになっていた。 ほんとにまた、会えるのだろうか？ 海の底から、来てくれるのだろうか？ なぜだかそんな、小さな不安がやってきて、寝たのだか寝てないのだかわからないような夜を越し、その日はやってきた。 いつものように仕事をして夕餉が終わった後、